リノベの教科書Textbook of renovation
リノベーション
2022.07.29

中古住宅はリノベーションでどこまで変えられるの?


中古住宅×リノベーションは新築よりも費用を抑えて理想の暮らし、住宅を手に入れることができる住まいの買い方です。新たな住まいを検討している方の中には、中古住宅×リノベーションを検討しているという方も多いのではないでしょうか?
しかし、『本当に思い通りになるの?』と疑問を持っている方も多いと思います。そこでリノベーションでどこまで住まいを変えられるのかについて書いていきます。

リノベーションでできること

リノベーションと言ってもその範囲は様々です。目的に合わせた内容を確認していきましょう。

内装・水廻りの入れ替え


壁紙やフローリングの貼り替えなど内装のリノベーションや、キッチンや浴室の設備の入れ替えやレイアウトの変更が可能です。キッチンを壁側から対面にするだけで家事動線が改善することもあります。内装材や設備が最新のものでキレイになるだけで、住まいが新築のような印象になります。

部屋ごとにリノベーション

内壁を壊して断熱材を入れ替えることで断熱性能を高めたり、防音材を入れて遮音性を高めたりなどといったリノベーションはもちろん、部屋同士を繋げて大空間にしたりと住まいの1部分のみに特化してリノベーションをするということも可能です。

スケルトンリノベーション


スケルトンリノベーションとは建物の床、壁、天井をすべて取り払い、構造である基礎や柱などを残したうえで住まいを再構築していくリノベーションです。マンションの場合は構造体であるコンクリートのみを残してという形になります。間取りから設備まですべてをやり替えるので、基本的に思い描いたリノベーションをリノベーションすることができます。

やりたいことはほとんどできる

内装・水廻り、部屋、スケルトンと説明してきましたが、あらかたのやりたいことは、ほとんどできるというイメージを持たれたかと思います。戸建ての場合は増築や減築、窓の位置移動なども可能です。

リノベーションでできないこと

リノベーションは「ほとんど」できるとお伝えしました。ほとんどという言葉があるように、リノベーションでもできないことはあります。その「できない」ことを確認しましょう。

構造の撤去

間取りを変更するうえでネックになるのが取り除くことのできない柱や壁です。戸建ての場合は構造となっている柱や壁が、マンションの場合は構造の壁が残る場合があります。リノベーションの事例でLDKに柱が残っていたりするのはそのためです。
残ってしまう場合は柱を生かした収納を作ったり、デザインとしてあえて表しにしたりと間取りを変更して対応する必要があります。

戸建て2×4工法による壁の撤去

構造は取り除けないという話をしました。2×4工法で建てられた戸建ての場合は壁が構造になるため、壁の撤去が難しくなります。壁量を計算し要最低限の耐久性を確保できれば不可能ではありませんが、リノベーションで大きく間取り変更をしたいという場合は2×4工法で建てられた戸建てはなるべく避けるようにした方が設計しやすくなります。

マンションの壁の撤去

戸建てと同じようにマンションでも壁を撤去できないという場合があります。木材や軽量鉄骨を骨組みに作成された壁であれば撤去は可能ですが、建物の躯体となっているコンクリートでできている壁は共用部分にあたるので、個人のリフォームやリノベーションでは撤去することができません。中古マンションリノベーションを検討している場合には、解体後に再設計が必要になるかもしれいない、と心の準備をしておきましょう。

リノベ前のインスペクションで安心を


中古住宅のリノベーションでどんなことができて、どんなことができないかということを紹介しました。リノベーションでできることは分かりましたが、中古住宅に対しては劣化に不安を抱えているという方も少なくないのではないでしょうか?
リノベーションでキレイにできるといっても、劣化による雨漏れや建物の傾きなどが後々に分かり、修繕に費用が掛かるとなっては安心して中古住宅×リノベーションに踏み切れませんよね。

そんな方には「インスペクション」がおすすめです。

インスペクションとは

インスペクションとは住宅の劣化状況や欠陥の有無を専門家が調査し、修繕が必要な箇所やタイミングなどのアドバイスを行うことです。不動産業界では「建物状況調査」や「住宅診断」などといわれています。

インスペクションの内容は?

どんなことを調査してくれるのかというと、戸建てとマンションでは多少の違いはありますが、「建物の基礎、構造や雨水の侵入を防止する部分のひび割れ、雨漏り等の劣化や不具合状況」などを調べます。
中古住宅の場合、物件の売買契約前に行うのがベストです。購入する前に建物の状態を把握できれば判断材料にもなるので不安な方はインスペクションを依頼しましょう。

インスペクションの費用

気になる費用ですが、マンションの場合では5万円~、戸建ての場合は6万円~が相場になっています。戸建ての場合は、屋根裏や床下へ入り込んだ調査やドローンを使った屋根の調査などをする場合には高額になってきます。
不動産物件を決める場合に、無料で診断してくれる良心的な不動産屋さんもあるようです。ただし、どこまで確認するかはその会社によって異なるようですので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回の記事では中古住宅のリノベーションはどこまでできるのかについて解説してきました。
基本的にはやりたい事はほぼ可能でまるごとリノベーションができ、新築以上の住まいを新築よりも安く手に入れることができます。
中古住宅だからと不安な方はインスペクションを実施して安心して暮らすことができます。
あなたも中古住宅×リノベーションで理想の住まいを叶えましょう。

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