リノベの教科書Textbook of renovation
リノベーション
2025.01.24

【中古住宅×リノベーション】ゼロから考える間取り!快適な暮らしを実現するために重要なポイントとは?

住まいの暮らしやすさを大きく左右する要素のひとつが間取りです。リビングや寝室、個室、水まわりといった空間をどう配置するか、またその広さをどうするかは、日々の暮らしやすさに関わる重要なポイントです。

中古住宅を購入してリノベーションを行う場合、家族の構成やライフスタイルに合わせて間取りをゼロから再構築できます。既存のレイアウトに縛られることなく、理想の住まいを実現できるのがリノベーションの醍醐味です。

せっかく中古住宅を選ぶのであれば、家族全員が納得できる暮らしやすい空間に仕上げたいもの。今回は、中古住宅をリノベーションして理想の間取りを叶えるためのポイントをご紹介します。

リノベーションで叶うこと

リフォームとは異なり、リノベーションは住宅全体に手を加える大規模な工事を指します。そのため、間取りを根本から再設計するのに非常に適した方法です。リノベーションで叶うことには、以下のようなことが挙げられます。

 

1.構造体以外の部分は新しくすることができる

建て替えが住宅をすべて解体し新築する方法であるのに対し、リノベーションは基礎や柱、屋根といった主要な構造部分を残しながら、室内を全面的に作り直す工事です。築年数が古い住宅の場合、建て替えを選択すると建築基準法の影響で延べ床面積が縮小されることがありますが、リノベーションではそのようなことはありません。

またマンションであっても、一部制限はありますが、室内を骨組み状態まで解体すれば、間取りをゼロから再構築することができます。部分的な間仕切り変更にとどまるリフォームに比べて、間取りに対する根本的な不満を解消しやすいのが特徴です。

 

2.住宅設備や内装を一新できる

年月が経つにつれて住宅の各部分は次第に劣化していきます。特に生活の快適さに直結するのが水まわりで、キッチン、浴室、トイレなどは日々使用頻度が高い場所です。これらの空間は家族の健康や食生活を支えるため、設備の使いやすさが暮らし全体の快適さを左右します。

住宅設備や内装の経年劣化は避けられないものです。リフォームによる補修や交換で対応する方法もありますが、リノベーションで間取り全体を再構築するタイミングに合わせれば、最新の設備を導入し、広さや収納スペースを含む使い勝手を大きく向上させることが可能です。

 

3.災害に強い住まいにできる

古くなった住宅では、老朽化している箇所が気になることが多いものです。特に地震が頻発する日本では、耐震性への不安を感じる方も多いかもしれません。

住宅の状態によっては、リノベーション時に基礎や柱を残しつつ、外壁や屋根を取り壊して、現在の建築基準法に準じた耐震性を持つ住まいへと再構築することもあります。耐震性に優れた下地を整えたり、窓と壁のバランスを最適化しやすいため、耐震性能の向上を目的にリノベーションを活用するのも良いでしょう。

リノベーションを成功させるために心がけたいこと

ほぼ一から住宅を建て直すリノベーションは、日々の生活で感じていた不便や不満をまとめて解消できる手段です。しかし、理想を形にするためには、施工会社に丸投げせず、主体的に取り組むことが欠かせません。

理想のリノベーションを実現するために欠かせないのが、ライフスタイルの整理です。あらかじめ以下の項目を話し合っておけば、間取りプランを考える際の指針となります。

 

・重視するべきは部屋の数か、それぞれの部屋の広さか

リノベーションは、住宅を一新するとはいえ、基礎や外壁など構造体は残して工事するのが基本です。そのため、家全体の面積は変わらないので、間取りを工夫して部屋数や各部屋の広さを調整する必要があります。

例えば、お子さんの独立で子供部屋が不要になった場合には、部屋数を減らして1つ1つの部屋を広々と設計することができます。一方で、ご両親との同居で家族が増える場合は、使っていなかった納戸を居室として取り入れることで部屋数を増やすことも可能です。また、家族構成が変わらなくても、生活スタイルの変化によって部屋数を増やしたり、複数の部屋を1つにまとめて広い空間にしたいケースもあるでしょう。リノベーション後の理想の暮らしをしっかり考えることで、より自分たちに合った間取りを実現しやすくなります。

 

・平屋にするか、2階建てにするか

今後夫婦二人での暮らしになる場合、減築工事を選ぶことがよくあります。年齢を重ねていくと体力が落ちてくるため、効率的に動ける間取りを検討するのが大切です。たとえば、2階にあるバルコニーで洗濯物を干すのが大変なら、1階の洗面室近くにランドリースペースを設けると家事負担が軽減されます。さらに、使わない2階の子供部屋があるなら、2階を撤去して平屋にするという選択も可能です。階段をなくして1階だけの生活にすれば、体への負担が大幅に減ります。

一方で、家族が多い場合は、総2階建てにして水まわりの数を増やすことを考えるのも良い方法です。たとえば、朝の忙しい時間に洗面室やトイレが混雑しないように、2階にもトイレや手洗いスペースを設けることで、待ち時間を減らすことができます。その結果、ストレスを感じることなく、スムーズに身支度を済ませられるようになるでしょう。

リノベーションで叶える暮らしやすい間取りの一例

リノベーションで間取りを一から作り直すことは、住みやすさをより一層高めることに繋がります。最後に、リノベーションによって暮らしやすくなる間取りの例をいくつかご紹介します。

 

・回遊型の間取り

もし共働きで毎日忙しい生活をしているのであれば、時短を意識した間取りが便利です。LDKにアイランド型キッチンを設置し、調理や配膳が複数の方向からできるようにする、洗面室を2wayタイプにしてキッチンや廊下など2方向から自由に出入りできるようにするなどの工夫で、家事がスムーズにこなせるようになります。

 

・生活動線上に収納を配置した間取り

収納スペースは広さよりも使いやすさが重要で、設置場所が適切でないと、いくら広くても使いづらくなります。広い収納を廊下の端に置くと、普段使っている部屋から離れてしまい、使い勝手が悪くなることがよくあります。例えば、タオルや着替えは寝室ではなく洗面室に収納する方が便利です。収納は生活動線を意識して配置し、間取りに反映させることが大切です。

 

・明るい自然光を取り入れた間取り

リノベーションで間取りを変える際には、部屋の広さや配置といった横方向に加え、縦の空間も意識することが大切です。例えば、玄関が暗くなりがちな場合、天井に天窓を設けることで明るさを確保できます。部屋数を減らす選択肢があれば、リビング・ダイニングを吹き抜けにすることでより開放的な空間を作れます。1階から2階にかけて大きな窓を設置すれば、自然光がたっぷり入り、天井が高いことでさらに広さを感じさせることができるでしょう。

 

間取りをリノベーションで一新することは、暮らしの質をさらに向上させることに繋がります。家族が幸せに過ごせる住まいを目指して、どのような間取りにするかを慎重に検討していきましょう。

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